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下痢

下痢とは

下痢とは、便の水分含量が増加し、液状または軟らかい便が頻回に排出される状態を指します。「軟便・下痢」と呼ばれることもあります。

便中の水分が多く、適切に吸収されない、または腸から水分が過剰に分泌されることなどが原因で発生します。

下痢は、短期間で改善する「急性下痢」と、数週間以上続く「慢性下痢」に分類されることがあります。

症状・サイン

主な症状は以下の通りです:

  • 便が液状または非常に軟らかい

  • 排便回数が増える

  • 腹痛・腹部不快感・腹の張り

  • 吐き気・嘔吐を伴うこともある

  • 発熱・倦怠感を伴うケースもある

  • 便に血液・粘液が混じることがある

  • 脱水症状(口渇・尿量減少・めまい・ふらつき)

原因・分類

下痢を引き起こす原因やメカニズムは多岐にわたります。主なものを以下に挙げます:

原因例

原因のタイプ 典型的な原因例
感染性 ウイルス性腸炎(ノロウイルスなど)、細菌性腸炎(サルモネラ、カンピロバクター、O-157 等)
食事・摂取攪乱 食あたり、腐敗食品、汚染水、過剰飲食、刺激性食品 
薬剤性 抗生物質、下剤、造影剤、抗がん剤など薬物の副作用
機能性障害 過敏性腸症候群(IBS)など、腸の機能異常による下痢
炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎、クローン病など慢性炎症性疾患
消化吸収障害 乳糖不耐症、セリアック病、その他酵素不足など
虚血性 / 血管性 腸の血流障害による虚血性腸炎
腫瘍性・構造異常 大腸がん、ポリープなどが刺激して起こることもある 

また、下痢が起こるメカニズムとしては以下のようなタイプがあります:

  • 分泌性下痢:腸が過剰に水分・電解質を分泌する状態

  • 浸透圧性下痢:消化されずに残った物質が水を腸腔内に引き込むタイプ

  • 運動亢進性下痢:腸の蠕動運動が過剰になり、内容物が速やかに通過してしまう

  • 吸収不良型:水分や栄養素の吸収がうまくできない状態

診断と検査

問診・身体診察、便検査、血液検査、画像検査、内視鏡検査、機能検査などを組み合わせて原因を探ります。

対応・治療・注意点

原因に応じた対処が基本ですが、一般的な指針および注意点を以下に示します:

  • 水分補給・電解質補正:脱水を防ぐため、こまめな水分補給(経口補水液など)

  • 休養・消化に優しい食事:脂肪分・刺激物を控えた消化しやすい食事

  • 原因治療:感染性なら適切な抗菌薬、炎症性腸疾患なら投薬治療、機能性なら腸の安定化治療など

  • 止痢薬の使用:原因によっては止痢薬を用いることもありますが、特定の感染性下痢などでは使用を避けることも必要

  • モニタリング・定期評価:症状の経過を観察し、改善しない・重症化する場合はさらなる検査・専門紹介

  • 予防措置:手洗い・食品衛生管理・衛生管理・食中毒防止

特に、次のような場合は速やかに受診すべきです:

  • 血便・黒色便が混在する

  • 高熱・激しい腹痛・持続嘔吐を伴う

  • 脱水症状が進行する

  • 便回数が非常に多い、頻回性下痢

  • 症状が 2~3 日以上改善しない・慢性化している

お腹の異常を感じたら、早めにご相談ください。当院では丁寧な診察・検査を通して、原因を見極め、最適なケアを提供いたします。

また、当院では食べ物による遅延型アレルギーの検査も行っております。お気軽にご相談ください。

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