貧血
貧血は体内の赤血球数や酸素を運搬するためのタンパク質であるヘモグロビン量が不足することによって、酸素を運ぶ能力が低下する状態を指します。
原因としては、鉄分不足が非常に多いですが、その他にビタミンB12・葉酸・亜鉛や銅などの栄養素の不足、出血、慢性的に炎症を起こす疾患、遺伝的なものなどがあげられます。
貧血の症状としては、疲れやすさ・頭痛・眠気・食欲不振・息切れ・皮膚や爪が脆くなる・動悸などがあげられます。
検査としては、血液検査による赤血球数・ヘモグロビン量・ヘマトクリットなどの数値を調べます。赤血球の大きさによって、どういった疾患があげられるか絞ることができ、それによって追加する検査項目を変えます。
意外とクリニックで漫然と鉄分の薬を処方されているにもかかわらず、貧血が改善しないと相談されることが多いのですが、鉄分の吸収不良が原因だったり、鉄分の薬が飲みづらい薬のため、しっかりと飲めていなかったりすることもあります。また、鉄分だけが原因でないことも多く、そこを調べていないと改善するものもしません。
採血データから出血が疑われる場合には、直腸診検査や便潜血による検査も行いますが、緊急性が高い場合は専門医療機関に紹介させていただきます。
また、鉄分やビタミンなどの材料が十分にあるにも関わらず、貧血がみられる場合、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群、重症の場合は白血病などの可能性も考えられます。当院で行われる血球計算機では、幼弱な白血病細胞の可能性がある細胞も確認できます。もし確認された場合には、専門医療機関に紹介いたします。
貧血は、その他にも代謝疾患、膠原病疾患、腎臓の病気が原因でも起こすことがあります。
それぞれの可能性を考慮しながら、精査・治療の対応をしていきます。