小児かぜ
かぜは、主にウイルスや細菌に対する防衛反応による症状です。子供は、保育園・幼稚園・学校などで集団生活をするため、そういった場所で接触することが原因で感染します。
季節性のものとしては、秋から冬にかけて多くみられますが、近年は旅行などで日本では流行していない時期にインフルエンザに罹患するお子さんなどもおみかけします。また、かぜの原因ウイルスは何百種類とあるため、一度かかったとしても別のウイルスにまたかかってしまうということもよくあります。かぜをひいた際に免疫力が下がってしまい、2~3か月近く風邪症状が続いてしまうこともあります。
赤ちゃんの頃はお母さんからもらった抗体が働いてくれますが、1歳頃にはその抗体がなくなってしまうため、一緒にすごす子供たちの間でウイルスが蔓延して風邪を繰り返します。ただ、そこで何度も風邪を繰り返すたびに、身体の中で抗体が作られていきますので、だんだんと風邪をひかなくなっていきます。
機嫌が悪い、ぐったりしている、おもちゃに興味を示さず遊ばない
嘔吐を繰り返している、おしっこが出ていない
発熱が続いている
夜も咳が出ている、苦しそうにしている
などの症状があればすぐに受診しましょう。
また、痙攣をおこした、呼びかけに反応しないなどの症状の場合は小児科のある総合病院への受診や、救急車を呼ぶことも検討してください。
治療は基本的には十分な休養と水分補給、症状を和らげる薬による対症療法となります。ウイルスによる風邪と考えられる症状であれば、抗生物質は不要です。ほとんどの風邪は子供の持つ免疫力で自然に治ります。安易な抗生物質使用は、後々耐性菌を身体に作る可能性があったり、副作用に困ることになったりすることがありますので、控えた方が良いです。
ただし、マイコプラズマや溶連菌など細菌感染が流行している、疑われる所見があるなどあれば、抗生物質を投与することもあります。鼻水の吸引などで呼吸を楽にしてあげること、気道を広げる吸入薬を吸うことなどで症状を楽にさせてあげることができます。
子供たちが自分の免疫力で治りやすくするようにサポートしてあげることが大事です。